上海に来て1年が経ちました

上海に来て実は2年が経ちました。1年前に書き溜めていた文字を今更公開してみる。

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仕事をして、恋をして、友人たちと悩んだり笑ったりしているうちにあっという間に1年が経ちました。

 

初めてのひとり暮らし、初めての海外生活、初めての転職、終わらないロックダウンや知らない言語に囲まれる生活はひどくストレスで、全てを上手にこなせない自分に嫌気がさすなどもした。こうありたい自分や、こうするべき自分を明確にしすぎてしまったせいで、そうあれない自分がどんどんと許せなくなっていた。できなかったぶん、自分をまた嫌いになった。もっと頑張らなければと思うのに、頑張っても上手くできない自分や、上手に頑張れない自分にうんざりしていた。生きているだけで偉いというのは幻想なのではないかと、心のどこかでは思っていた。

 

新しい場所で新しい生活を始めれば、何かが変わると思っていたけれど当然ながらそんなことは無かった。わたしはどこにいても、つまり日本にいても上海にいてもわたしという人間だった。自分を好きになるためには、自分の生活に納得するためには、変わるべきなのは環境ではなくわたし自身だと身をもって知れたことがこの一年で一番の成長であり、収穫だったのかもしれないとも思う。

ここじゃなくてもいいということはつまり、ここに居てもいいということ。わたしはこの一年で、自由で穏やかでそれでいて刺激的な上海という街が大好きになった。日本よりもみんなが自分のために生きているような気がするこの街を歩くと、わたしもわたし自身のために頑張ろうと前を向くことができる。誰もわたしに注目していないこの街の空気は、わたしにとっては寂しさではなく優しさのように感じている。

 

帰りたいと思う日もたくさんあったけれど、どこにいてもいいなら、ここでもっと頑張りたいと思うようになりました。後ろめたくない日々の積み重ねが、笑顔の自分をつくるとおもう。人生の中で、初めて自分から手を伸ばして掴んだ未来を今生きているということに意味があると思う。正解にしていくのは自分だから、ひとつひとつ自分で選んで歩いていきたい。

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なんだか紆余曲折あったようだけれど、1年前のわたしはこの街でどんなふうに生きていきたいかその答えを見つけていたみたい。今より前向きだ。
今は正直、そもそも正解とは何だったんだろうかと立ち止まっている。この手で掴んだ未来を生きて、生活して、働いて、人と出会って、だけど結局わたしは何になりたかったんだろう。何になれているんだろう。去年は光の中を歩いていたのに、今はずっと夜だ。