正しさを振りかざせるのは、しあわせな人間の特権なのではないだろうか

家に帰ってきてねむりにつく前、きょうじぶんの口から溢れだした言葉たちをおもいかえしてどうしようもなく落ち着かないきもちになることがあった。わたしが呼吸するように紡いだ言葉は、もしかすると他人にとっては鋭い刃だったのではないかと、不安になっていた。目にうつる他人の姿がすべてではない 誰もが思考をして、感情をもち、泣いたり笑ったりしているはずだった。ときどき自分は、それを理解していないのではと怖くなる。わたしはひどく他人の痛みに鈍感だという愚かな自覚があるからこそ

ひとと対話をすることは、想像しているより難しいのかもしれないとおもう 感情の因数分解をしない人間に、わたしがどんなに必死に言葉を投げかけても届くことはない。じぶんの言葉や行動で他人のこころを動かそうだなんて、わたしはなんて傲慢な人間だったんだろう

 

あたらしい年がはじまったね

生活に光がみえる。さいきんの日々は、とても輝いている。ちいさな痛みや迷い、胸をちくりとさすいろいろな思い出はあるけれど、すべてを抱きしめても、わたしはじぶんの足で立てているとおもう

ベッドに寝転がっていると目に端に映る、おとうさんが掛けた絵 薄緑色のカーテン 椅子に無造作につまれた脱ぎっぱなしの洋服 オレンジ色の蛍光灯 机の端に積まれた数冊の本 昔好きだったひとにUFOキャッチャーでとってもらった大きなぬいぐるみ これがいまのわたしの世界 ここで密かに決意したあれこれを、決して無駄にしないように生きるぞ〜